Banjoのひとりごと19                    Banjoのひとりごと20へ

気分は遮那王

『何でこんな事せんならんの?』
とぼやきながらも、毎年この時期なると納税の義務を果たすべく確定申告に掛かりっきりになる。
こつこつやっておけばよいものを、この時期に一気にやろうとするものだから大変である。領収書の山と格闘。
なんせ去年の事を思い出す作業から始めなくてはならない。
『今年からはこつこつやろう。』
と毎年思う。

3月8日晴れ。久し振りにスカッとした空。
確定申告の見通しが付いたので、女房と出掛ける事にした。
午前中、京都でそれぞれの用事を済ませた。
用事が比較的早すすんだ僕は、藤井大丸地下のタベルトへ。ここは安全で美味しい食品が結構揃っている。
主婦のようにスーパー市場好きの僕は、都雅都雅のライブの時もここでお寿司の弁当を買う事がある。そう言えば去年南座へ
『歌舞伎児雷也』
を観に行ったときもここのお弁当買ったっけ。安上がりである。
今日は新鮮な魚が沢山乗ったちらし寿司と穴子の巻き寿司を買った。
女房と合流。車は鞍馬方面を目指す。
ここ数週間家に籠もったきりの作業が続いたので
『スピリチュアル・スポット』
に行きたかったのだ。
美輪明宏さんの話によると、鞍馬寺は国内でも有数のそれであるらしい。
女房は自分の精神をクリアにしたいと言う。
僕はただ綺麗な風景を見ただけで曲が書ける事もあるのだから、そこに何やワカランけどスピリチュアルやったらもっとエエやろ。
大したことは考えていない。

鞍馬寺を通り過ぎた川縁でお昼ご飯。まずは、マイナスイオンの摂取からである。
さらさら、じょぼじょぼと流れる水。川を観ているとついつい
『この大量の水はどこから湧き出ているのだろう。』
と考えてしまう。飽きない。

さて、鞍馬寺の山門前まで戻って車を停めた。
1日¥500のところに混ざって1日¥400の駐車場があった。迷いはなかった。

仁王門に料金所、と書いては失礼であるがそれがある。
何年か前に来たときは無かったのだが、
『愛山料¥200』
が新設されている。恐らく大河ドラマの時に大勢の人が押し寄せて管理が大変だったに違いない。

由岐神社・願掛けの杉・龍神の池・義経供養塔など寄り道が一杯。
いちいち拝んで説明を読んで行く。義経に纏わるものだけでなく、七福神も居たはる。
「いつも唄わして貰うてます。」
と俵つみ歌を唄いながら歩く。天然のリバーブが心地よい。
ドンドン歩く、また歩く。

鞍馬寺・琵琶湖の長命寺・八日市の太郎坊宮他にも高い山の上に社のあるところは多い。
その階段を登ると、ついつい
『この最後の階段の石を運んだ人は大変だったろうな。どうして運んだのか?』
と考えてしまう。飽きない。

まだまだ歩く。
金堂で与謝野晶子と逢い、義経堂で遮那王と逢い、木の根道を通って奥の院に辿り着いた。
歩き始めて約1時間半。
『ここまで来たら仁王門に戻るより、貴船に降りたほうが早い』
と今度は下り。
歩く歩く。
降りたところが貴船駅と思いきや、そこまでは約2キロ。
まだまだ歩く。
バスに乗ろうにも
『春分の日まで運休』
とある。

貴船駅から鞍馬駅に向かう電車、シートの柔らかさが歩き疲れた身体に心地よい。
流れていく景色を見ながら
『精神がクリアになった感じ』
を覚える。
『リセット』
ではない。
全てゼロに戻したのではなく、心の中にある全ての事柄がくっきりと見えているような気がする。
それは僕だけではないはず。もしもこれが
『スピリチュアル・スポット』
の力であるなら、二時間半の山歩きは心も身体も健康になる。

二日後に襲ってくる筋肉痛のことも忘れて、美輪明宏さんに心から感謝した。