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打ち上げ
今も昔も、舞台がはねた後は打ち上げが待っているのです。
『北村 謙Banjoひとり旅』では、ライブ会場で打ち上げをする事も珍しくありません。
「謙さん!お疲れなのに打ち上げまで付き合って貰ってスミマセン。」
と行って下さる主催者も居られます。
「イエイエ、これも『Banjoひとり旅』楽しみの一つですから。」
と本音で語れる打ち上げがやっぱり一番です。
「明日がありますから。」
とおざなりのご挨拶で、さっさと引き上げる打ち上げはおつき合い。
もしくは、飲めない理由がある時。
飲めない時は美味しい物も美味しくありません。ストレスが溜まるといけないのでので、さっさと引き上げます。
僕は打ち上げが好きです。
僕の友人の中には
「どちらかというと、打ち上げはあんまり好きではないです。」
と言う人も居ます。
その友人の舞台を見に行って、
「お疲れさま!では、お先に。」
と、挨拶すると
「謙さん、今晩一杯どうです?」
「この後打ち上げがあるのと違うの?」
「私、みんなと飲むの好きやナインです。用事がある言うて打ち上げ断りますから。謙さんとの方が面白いし。」
人は様々です。
自分たちの仲間で主催したライブの後の打ち上げは、場所探しが大変です。
人数が入れる店・食べ物が美味しい店・お酒の種類が揃っている店、
そして第一の条件が安いこと。
そんな店!この世の中に・・・・・・あるのです。
僕たちバンド仲間を心から愛してくれているお店が。
普段はちゃんとした料金で営業している小汚い店ですが、打ち上げとなるとマスターの
「兎も角ワインで乾杯しとき!」
から始まって、僕らの懐が痛まないように配慮してくれはるのです。
情けを掛けているのではなく、本当に楽しい事が好きなマスターなのです。
みんなが喜んでいるのを、喜べる人なのでしょう。
飲んで食べて、その上騒いで(我々のそれは半端ではありません。)
一人の割り前はいつも¥2000未満。嘘でしょ?ホンマです。
ここのマスター『少年倶楽部』が大好きで、よくライブに来て応援してくださってました。
ライブ会場から一足先に店に帰って、僕らがくるのを飲みながら待っててくれます。
店に入ると僕の手を握って
「今日も元気をありがとう!」
と、心から言うてくれはります。
この間の『少年倶楽部活動休止ライブ』は、さすがに最初から最後まで会場で聞いてくれました。
後かたづけが済んで店に行くと、相変わらずの出迎え。珍しく
「メンバー全員のサインが欲しい」
と色紙が2枚。みんなでサインしてから乾杯をして飲み始める。
マスターはいつになくハイペース。
程なくべろべろのマスターから
「何でおまいら少年倶楽部をやらんのじゃ!」
と本音とも思える発言。
僕もメンバーも彼を納得させられるだけの理由が見つからない。
打ち上げで叱られているよう。
「みんなやりたいと思ってますよ。」
と、誰かのおざなりな発言には
「ほな、やれ!」
「そこはそれ、いろいろと。」
「いろいろ何があるんじゃ!」
この人は誤魔化せない。最後に出た
「よっしゃ!解った。ワシが何とかしてみせる。」
は決して、我々のように口から出任せではない。
酔っていても責任ある男の発言と受け取って間違いなさそうだ。
帰り際、握手をすると
「謙ちゃん、これ持って帰り。」
渡されたのはさっき書いた色紙の1枚。そこには
『少年倶楽部・北村 謙・五十川清・宮崎勝之・三好寛昭・森巧美・福井秀彦・2006/10/27』
とある。
思った
『マスターありがとう。僕以上に、少年倶楽部を愛してくれていたんですね。』
忘れていたかも知れない。
次に活動を再開するときは、きっとこの場所からだろう。
