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子供の頃の味覚と、大人になってからのそれは全く違う。

子供の頃あまり好きではなかった水炊きを好んで食べるようになった一番の理由は、
諸口あきらと知り合ったこと。
当時の彼は、何かと言えば人を家に呼んで水炊きを食べさせていた。
「おう、今夜どうだい?うちの家で水炊きでも?」
が口癖のようだった。
「お前たち、来る時に白菜と豆腐それから何か野菜類見繕ってきてくれるか?
そうそう、それとかしわの骨付きのところ1Lくらい買って来てくれるか?」
と水炊きに誘われたばっくすばにい一行。
材料全部調達して、諸さん家へ。
食べ終わって
「ご馳走様でした。」
と丁寧にお礼を言った帰り道、材料費を貰っていないことに気が付いた。
これが後にまで語られた
『水炊き詐欺事件』
である。

我が家では9月頃から3月頃までは、土鍋が大活躍する。
食卓の真ん中に
『でん』
とある姿が、たまらなく愛おしい。
鶏・豚・魚類の鍋をはじめとし、おでん・チゲ鍋・煮込みラーメンなど休んでいる暇がない。
土鍋ほどのスケジュールで動きたいものだ。
その中でも、特に気に入っている鍋がある。
京都で老舗の水炊き屋さんが食べさせてくれる
『博多風水炊き』
何故京都の老舗で、博多風なのかは知るよしもない。
昔から懇意にして頂き、今も法事や、家を上げてに行事には時々お邪魔する。
おせち料理にあきた時に試して貰えるよう、その作り方を書いてみる。

まず、お馴染みの土鍋に水を入れる。どのくらい入れるかというと、鍋をするくらい。
その中に出し昆布をすこし多い目に入れる。
えっ?!どのくらいが少し多めか解らない?適当にしなさい。適当に!
ニンニク2〜3片と同量の土生姜を入れて、
さらに骨付きぶつ切り鶏肉4人前を入れます。
だから!4人で食べると言っても、相撲取りとおじいちゃんでは食べる良も違うんだから適当ですよ。
一人4切れくらいあれば良いんじゃないですか?
いよいよ点火です。
強火に掛けて沸いてきたら、灰汁を取り中火にしましょう。
この時点でお餅を2個くらい放り込んでください。
ほら、放り込むと言ってもホントに放り込む人がありますか?ゆっくり入れなさいお出汁が飛んで火傷するでしょうが。
お餅を入れるのがポイントですからね。
そのまま水の量が半分になるまで中火で煮込んで行きます。出汁の量が半分くらいになったら、鶏肉は取り出して置きましょう。
ほら、お餅が溶けて白濁した博多鍋のスープが美味しそうでしょ。
コクがあって、少々とろみがあるスープ。このとろみが、野菜や豆腐にからみつくのです。
まだまだ、そのまま鍋を始めるのではなく、まずはこのスープを楽しんでください。
そばチョコ半分くらいのスープに塩少々、生姜汁少々を加えて、飲んでみてください。
くれぐれも美味しいからと言ってスープを飲み過ぎないように。注意!注意!

残ったスープに水を加え、鍋が出来る量に戻しましょう。
先ほど取り出した鶏肉と、キャベツ・エノキ・豆腐・春雨・春菊・椎茸などを入れて鍋を楽しみます。
白菜を使わずキャベツを使うのが、スープと並んで博多風の特徴と言えます。
ポン酢に大根おろし・ネギなどの薬味でどうぞ。
こうして食べる豆腐の旨さは絶品です。鍋の最後は雑炊が美味しいです。
何より、雑炊食べ終わった後、空になった鍋を見つめて

「あのスープ全部飲んでしもうたんか・・・・。」
 と思う瞬間がたまりません。

 良いお正月を。