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HOTな話
辛い物が大好きであります。
いつ頃からって?
それは世の中に激辛ブームが来るずっと前からです。
不思議なことに、辛い物の刺激ってどんどんエスカレートするのです。
かといって、真っ赤になったラーメンを食べるほど味音痴ではありません。
最初は鍋物七味を入れていたのが一味に変わり、それでは飽き足らずに鷹の爪をちぎって入れる。と、言う具合に。
慣れない頃は、鷹の爪をちぎった手で目を擦ったりして、エライ目に合いました。
トイレなんぞに行こうもんなら、ソリャ〜あなた......。
辛い物の思い出話は沢山あります。
シンガポールへ行ったときのこと、ぶらりと入った食堂で焼きそばを食べることにしました。
粉文化の国は麺類が異常に旨いのです。
焼きそばを食べていると、漬け物の盛り合わせをサーヴィスに持ってきてくれました。
「サンキュウ」
等と良いながら目をやると、色とりどりに並んだ漬け物の皿の中央に
『オクラの輪切り』
美味しそう!と幾つか摘んで口の中に。
『ドーン!』
と大きな音がしました。それはオクラではなく、
『グリーンチリ』
だったのです。その後、焼きそばの味が無くなったのは言うまでもありません。
ある日韓国の友人が、僕を夕食に招いてくれました。
「謙さん、韓国の食事は焼き肉だけじゃないんですよ。」
が招待の理由。韓国に古くから伝わる宮廷料理
『九折板(クジョルパン)』
をご馳走になりました。タオピンのような皮に、野菜やお肉を包み、芥子みそを塗って食す。なかなかに旨い物。
先方のご家族は5人なのに、両親と長男しか席に着かない。後の子供たちは別の部屋で食事。
「一緒に食べませんか?」
「これが正式なお客様の迎え方ですから。」
何故か日本の家庭より、ケジメがあって清々しかった思いであります。
そこへ友人らしき人。
「こんばんは。お客様でしたか、今年は良いのが収穫できたので持ってきました。」
と、持ってきたのは青い唐辛子。
「綺麗だなぁ。早速一つ。」
みんながそれぞれにその唐辛子を持って食べだした。
「甘い、甘い。美味しい、美味しい。」
と話しながら、幾つも食べている。我慢出来ず
「あの〜、僕も貰って良いですか?」
「ゴメン、ゴメン。お好きでしたらどうぞ、どうぞ。」
パックッ。
『ドッカ〜〜〜〜ン!!!どこがアマイネ〜〜ン!!』
その後、九折板の味が無くなったのは言うまでもありません。
幾多の困難を乗り越えて、我が家に辛い物がいっぱい。
『タイのピリピリ』『沖縄とうがらしの泡盛漬け』『タバスコ系何種類か』『すだち胡椒』『柚子胡椒』ETC.
中でも柚子胡椒は毎年自分でこしらえる様になりました。
これに使う唐辛子にもいろいろあって、全国いろんな場所で生の唐辛子(乾燥した物では無く、木の枝で赤くなったもの)
を購入して試してみました。勿論、自分の庭に植えたこともあります。
結果、信州の安曇野で買った
『黄唐辛子』
と言う赤い唐辛子(?)が一番美味しかったので、最近では毎年これを使っています。今年も送ってもらいました。
赤くて綺麗な唐辛子。11〜12センチ太さが2.5センチくらいの、唐辛子とは思えないほどの大きさ。
果肉の厚さがパプリカほどあり、かじり付くとフルーツの甘さと激辛が同時にやってくる感じ。韓国の友達が甘いと要っていた気持ちが解る。
この唐辛子をきれいに洗って、新聞紙の上に並べて水気を取る。並んだ唐辛子を見て
「カワイイ!」
などと思うのは僕だけだろうか?
ヘタを取って、塩とゆずの皮を入れてフードカッターに掛ける。それだけの作業に1日かける。
その日の夕食は決まってうどんすき。出来たての柚子胡椒の香りがたまらない。
つい食が進む。
聞くところによれば、唐辛子を食べるとカプサイシンの働きで食べても太らないそうだ。
ダイエットには良いらしい。
どうやら嘘のようだ。
