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暖 冬

 

こんなに暖かい冬は珍しい。
雪が降らないどころか、日差しはまるで春のよう。蕗の薹も顔を出そうかという勢いだ。

情報によると温室効果ガスの増加が著しく、アメリカだけでなく日本も地球温暖化防止京都会議で決議された水準にまだ達しっていないらしい。
「暖ったかい冬ですなぁ。」
「ホンマ、過ごし易うて、助かってますわ。」
と人事であるが、自分たちの島が沈んでしまう危機にさらされた国を考えると心が痛む。

痛みませんか?同じ地球人として。

毎日の様にテレビが、温暖化の怖さを伝えている。
変なウイルスが出てきたり、動物の生態系が変わったり、食物が無くなったりするらしい。
恐らくもう何年かすると、日本でも危機的な状況が感じられる様になるのだろう。
その時に初めて人事ではなくなるはず。

イギリスの産業革命以来、色々新しい物を創り出してきた人間。
電気を発見し利用し始めた人も、ガスを利用した人も、勿論石油などの化石燃料を利用し始めた人も、
みんな人間が便利に暮らせる様にと思っていたはず。
それがいつの間にか、使い方を間違った人間によって自分の首を絞める様になってきている。
核だってそうかも知れない。
『人のためになるから。』
の前に
『本当に為になるかどうか?』
を考えるべきだったと思う。

桂九雀さんが9・11テロが起こった時に話していた。
「人間が便利なようにと造った飛行機、使い方によっては人間を脅かす凶器にもなる。
 と言って頭を悩ます。そんな事で悩むくらいなら、のっけから造らなんだら良かったのに。」
ラジオのゲストに来て頂いた、レジ袋を開発された先生も
「今、環境問題の矢面に立たされているのですが、このレジ袋は、薄くて軽くて丈夫で、
 水で洗って何度も使っていただければ、環境に優しいものなんですよ。」
人間の使い方のまずさを指摘して居られた。

温暖化を防止して行くのは、どうやら人間の考え方に掛かっている様だ。

ただし、人間には果てしない欲がある。
もっともっと稼ぎたい人は、もっともっと欲しい人のために、いっぱいいっぱい欲しそうな物を創り出す。
本当に必要な物なら兎も角、欲しそうな物は直ぐに無駄になる。そしてゴミと化す。

世の中にテレビがなかった時代。テレビを造ったら物凄い勢いで売れた。
大儲けをした人が居た。
みんながそれを手に入れてしまうと、売れ行きが止まる。
新商品を開発したが、あの時ほどは儲からない。
いっそのこと、テレビが映っている方式を変えてしまえば、みんなが買い換えなくてはならない様にすれば、
あの時と同じように儲かるのではないか?
誰が言い出して誰が決めたかは知らないが、2011年にアナログ放送が終了しデジタル化になる。
各家庭の受像器はおろか、放送局の全ての機械が使えなくなる。
みんなが買い換えれば、その全てがゴミとなって日本中に溢れかえる。
そのゴミはどうするのだろう?土に埋めるの?焼却するの?どこかの国に持っていくの?
けど、そんな事はお構いなしに、誰かの欲のためにかき立てられられた欲望が動き始めている。
今のテレビ番組、地球の環境を引き替えにしてまで見る価値があるのだろうか?

そんなテレビが、毎日の様に温暖化の怖さを伝えている。 

確かに画像は美しくなるかもしれないが、映し出す美しい景色が無くなってゆくのではないだろうか?