|
Banjoのひとりごと64 Banjoのひとりごと65へ |
3'45"
これまで2時間・3時間・5時間のラジオ番組は何度も担当している。
短いものでも、最低30分は喋っていた。
ラジオ番組というものはCMや音楽を含んで構成されているので、
長時間番組と言っても実際喋っているのは番組全体の40%くらいだろうか。
30分の番組であれば、12分くらい。
5分の話題が2つくらいと、冒頭の挨拶やハガキの宛先・お別れの挨拶など、そして合間合間に音楽とコマーシャルが入る構成になる。
まずこのくらいの時間があれば、
『今日はなんも喋る事が無いなぁ。』
と思う日でも、話している内に何となく話題が沸き上がってくる。
30年も喋っていれば、それくらいは当然だろう。
そんな僕が、この春から未体験ゾーンに突入した。
月〜木の帯番組、しかも毎日10分間。
『ニューフォークタイムス』
うちのスタッフが名付けてくれたこのタイトル。
ちょっと新聞に目をやる感じで聞ける、アメリカンフォーク中心の番組。
『団塊の世代の人たちが共感出来る様な番組にしよう。』
がコンセプト。
北村 謙が1曲のフォークソングをどんな風に聞き、どんな風にとらえ、
その曲からどんな思い出を引き出せるのか、を伝えるのだ。
ただし、お喋りの制限時間は3分45秒以内。10分番組といっても実際9分番組であるから、計算通り。
下手にくどくどと説明していると、それだけで終わってしまう。
いくら毎日やっているからと言っても
「この続きはまた明日に。」
は、あり得ない。
『音楽は、出来るだけカットしないで全曲掛けましょう。』
は僕の元々の旨故、長い曲を選んだ時はさらに短くなってしまう。
アメリカンフォークと呼ばれるものが、平均2分30秒で本当に良かったと思っている。
話題は出来るだけ端的に、起承転結を付けて3分45秒に纏めなくてはならない。
何を話すか?それにまつわるどんな曲を掛けるか?その整理の毎日。
しかし慣れというのは恐ろしいもので、一月が過ぎると余裕が出来てくる。
これまで僕の話は
『脱線』
と言われる、枝葉の話で盛り上がっていく傾向にあった。
それが無くなり、一つの話題を掘り下げる傾向が出てきた。
それと同時に
「テーマ曲をもう一寸聴かせよう。」
等の手法で、番組自体もゆったりとしたものに変わってきた。
素晴らしい!(自画自賛)
一週間に話題が4つ。色んな事を思い出す。
京都駅のプラットホームでのフーテナニー。東舞鶴市民会館緞帳事件。下鴨アパート、ひじきと光るコースター。等々。
どの話題も、涙無しでは語れない程の大ネタ。普通に話せば10分くらい掛かる。
それを3分45秒間に纏める手法もさることながら、自分の歩いてきた道を、振り返り振り返り辿ってみる面白さ。
思い出す楽しみ。話し始めた途端に、DJをはじめた頃の空気がスタジオに拡がる。
あの頃の自分がそこにいる。みんながいる。それをニコニコ笑いながらみている自分がいる。そして本当の自分が見えてくる。
確実に自分の肥やしになっていく様だ。
『北村 謙のニューフォークタイムス!』
やってよかった。
