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地域の活性化
ラジオのレギュラー番組が始まってもう1年半、毎週木曜日の11時半には伏見にいる。
1時から始まる番組に行くには早すぎるようにも思うが、その日の大手筋の状況を見て話題にすることも多いからだ。
前にも書いたように、現地に2時間前に到着する僕としては当然のことなのかも知れない。
この間なんぞは11時に大手筋を歩いていた。
この時間に到着するもう一つの理由はお昼ご飯を食べること。
お世話になっている地域の経済効果が、僅かでも活性するようにの想いもある。
それには番組の宣伝も兼ねている。
だって伏見区だけしか聞こえない、いやどうかすれば伏見区でも聞こえない番組なんだから、
少しでもリスナーを集めようとするなら当然のことだと思っている。
ただ、11時に到着しても殆どのお店に営業は11時半から。
30分はウォーキングとなる。
新しく出来たお店や、古いお店が集客のために頑張っているところを見て回ろう。
大手筋商店街は他のそれとは違い活性している。伏見の生活のリズムがこの活性を生み出しているのだろう。
外食産業や喫茶店はかなり少なく、大型スーパーより個人商店が幅を利かせている。
伏見文化の中では量販店も舌を巻いている感もある。
大手筋から拡がる納屋町・龍馬通り・風呂屋町なども面白そうな店がある。
川魚・呉服・パン・八百屋それぞれに特徴的である。
新しいインテリアショップも出来ている。
お昼ご飯までの30分を何とかつぶすために、ぶらりと立ち寄ってみた。
ここには僕の気に入ったボールペンが置いてある。しかし、それを買ったのでは30分の時間つぶしは失敗に終わってしまう。
入り口付近に『TIME誌』の表紙が見えた。見る限り相当古そうである。
この店のオーナーが趣味で持っていた物なのだろう。
まるまる一冊のものや表紙だけのものもあるし、中身を切り取っただけの物もある。
それぞれは透明のビニール袋に入れ端ッコに小さな丸のシールが貼ってある。
青は¥1000オレンジ¥700黄色¥500などなど。およそ200枚程のそのビニール袋、端から見ていくことにした。
これなら、十分に時間が潰れるし、50年半ばから60年半ばの物であれば、
フォークソングに関する話題・楽器の宣伝などがあるかも知れないからだ。
昔この雑誌の表紙にキングストントリオが採用されたことも聞いたことがある。
1枚1枚丁寧に見ていく。
流石工業国アメリカ。大型の乗用車の宣伝物が多い。キッチンの宣伝もある。めくり続けること15分、手がだるくなってきた。
「もうええか?」
「いやもうちょっと。」
の自問自答。どうやら音楽関係の物は無さそう、
と思った途端!赤いジャケットを着た小太りのおじさんが、ウッドベースと背中合わせに縛られて汽車の線路に座っている写真が目に入った。
「このおじさんどっかで見たことがあるなぁ。」
と取り出してみると、その後ろにはBanjoを持った男とGuitarを持った男が女性に拳銃を向けられて飛び上がっている。
「なんや、昔のコミックバンドか。」
その写真を元に戻そうとして、もう一度Banjoの男の顔。
大きな口を開けてふざけた顔をしているが、どう見てもこの人はキングストントリオのオリジナルメンバー、ディーブガードだ。
あぁそうか、えっ、おや、あれ?このベースのおじさん、ディーブガード?
女性が一人?ありゃりゃ・・・ウィスキーヒルシンガーズ・・・じゃ、Guitarの男は・・・・・サイラスファーヤー?
そそそそそそ、そうや、若くてふざけた表情なので良く解らなかったが、紛れもなくMFQのサイラスファーヤーが
ディーブガードと1961年に結成したウィスキーヒルシンガーズの写真であった。
「ぐぅぎゃをぅや〜。」
どんな声を出したか解らない。
次の瞬間シールに目が行った、黄色僅か¥500消費税¥25。
「やった〜!」
しかし、この喜び様を店員に見られて
「はハァ〜、よっぽど欲しい写真が見つかったのだな、少しふっかけてやるか。」
等と思われてはかなわない。冷静に冷静に。
一旦その写真を元に戻し、何気なく
「欲しいのは無かったけど、これでも買っておくか。」
を装ってレジへ。
案の定店員は僕の偽装工作にひっかかり
「¥525になります。¥1000からお預かりします。」
今日はこの間違った日本語も全く気にならない。
「うわははははっ、上手くいった。」
写真を入れた袋を抱え、欲しいボールペンに目もくれずに韓国料理屋さんのランチに急ぐ僕でありました。
放送終了後、額を購入し、晩ご飯のおかずを購入。さらにお茶を飲みながらこの写真の解説をじっくり読んだ。
この日の伏見の経済は大いに活性したに違いない。
